タレント文化人100人斬り

佐高信 現代教養文庫


 生理的にいやな顔というのがある。
 権力的な嫌らしさがにじみ出る櫻井良子、金と権利のためには厚化粧ですりよる太田房江(大阪府知事)、爬虫類のような鳩山由紀夫……。
 考え方のきらいな人は他にもいっぱいいるけれど、なぜ生理的に受け付けないんだろう?と思っていた。この本はみごとに回答を示してくれた。太田房江は載っていないけど、たぶん佐高はボロクソにけなすだろう。
 逆に田中角栄は「嫌いになれないで困るオッサン」という。その感覚もよくわかる。僕が実際に会ったことのある人では、野中広務あたりがそうだ。政策的にはひどいことばかりしているのだけど、なぜか「おもろいなあ」と思ってしまう。
 それにしても、実名でズバズバ斬る彼の文章は歯切れがよくて気持ちよい。