こういう風景を見るとなぜかホッとする。「甍の波と雲の波」とうたわれた日本の風景って、ほとんど消えたもんなあ。京都なんか特にひどい。 屋根を見るだけだけど、ここはかっこう豊かな漁村なんだろうな、と想像できる。屋根の形がほぼワンパターンなのもおもしろい。昔は家のつくり1つにしても、地域の特徴があったんだろうね。 宮本常一もここを歩いたかなあ。
「不屈の桜島魂 やればできる」 いまどきすごい精神主義。だから逆に滑稽なかわいさもある。「薩摩隼人」の土地だもん。 戦争中、鹿児島やら熊本、それに東北地方の青森や岩手の軍隊が「精強」と言われ、大阪や京都、東京の軍隊は軟弱とまことしやかに言われた。 要は素朴に素直に命令に従ってた、ということ。同じ戦場でも、都会の兵士より死亡率が高かったそうだ。 精強じゃなくても生き残る方がえらいと僕は思うけど、最近は「日本は血を流すべき」なんて平気で言う政治家が増えてる。自分たちは安全圏にいるのにね。
本日の目的地、古里温泉郷里に到着。林芙美子文学碑のすぐ近く。港から約10キロ。 ホテルのフロントで入浴料1500円(1000だっけ?)を払って、斜行エレベーターで下っていくと、海辺にこんな露天風呂がある。 混浴だけど、専用の入浴着を着ることになっている。幸か不幸か、僕が入ったときはだれもいなかった。 波の音を聞きながらの入浴はなかなか爽快だ。