自転車専用道
13時半、サイクリング再開。潮の激流を横目に2キロほど走ると、伯方・大島大橋に出る。ぐるりとループ状の坂をのぼって橋へ。伯方島の手前にある橋脚の島「見近島」には小さな浜がある。こんなところで泳いだら気持ち良かろう。渡り終わってすぐに道の駅があるが、これは素通り。3キロほどで大三島橋に着く。
この橋はとりわけ短い(328メートル)。海峡ごとに様相がかわり、海の上を走るのは心地よい。
橋の部分は高速道路わきを走るが、対岸にわたれば草のにおいがいっぱいの自転車・歩行者専用道路になるから静かだ。オレンジの花が一面に咲き誇っている。朽ちかけた民家や土蔵、ミカンの花の甘いにおい、まだ青いビワの実……。どれも自動車に乗っていては見つけられないだろう。
3時すぎ、多々羅大橋のたもとの道の駅に着いた。「疲れた。もう次の島はやめよーぜ」とレイザルがいうから、橋をわたって広島県側に入るのはあきらめる。
トイレ休憩したあと、最後の6キロを大山祇神社へ。島を横断する車道と平行している自転車道は、並木がおいしげっているから涼しい。ときおり、山のふもとを通って、畑のおばあちゃんとあいさつできるのも楽しい。
しまなみのサイクリングコースは、地元に役立っているかどうかは疑問だが、なかなか楽しい。車のスピードでは見えないものが見えてくる。人々とふれあえるコース設定をしてくれたらもっとよいだろう。
16時。大山祇神社わきの道の駅につく。レモンや甘夏、サンフルーツなどの柑橘が、6月になるというのに店頭に並んでいる。
1時間に1本のバスに乗って馬島へ。バス代は860円。
橋脚上の馬島停留所から30分ほど歩いて橋をわたり、午後5時すぎ、サイクリングターミナルに帰りついた。