花火も魚も淡路島B

1999年8月1-2日

アロマの温泉

 翌朝、バスターミナルのわきの「アルファビア」という赤煉瓦の建物群を訪ねる。鐘紡の紡績工場の倉庫を改造して作った博物館と図書館だ。
  博物館(入場料1000円)は、ロックウェルの作品を展示している。手回し洗濯機や氷で冷やす冷蔵庫などが自由にさわれるのがうれしい。絵は「古き良きアメリカ」。堅い題材でもなぜかポップなイメージになる。子供の表情や動作が漫画チックだ。不思議なのは初期の作品から後期までまったく画風がかわっていないこと。
「これだけ同じもんを描くなんて絶対オタクやで。せやなかったらホモやな。主人公は男が多いし、ちいちゃい男の子を描くのがうまいやん」(サル)

 午前11時12分、淡路交通の路線バスに乗る。海辺の旧道を、冷房がほどよく効いたバスに揺られると眠気を誘われる。
  志筑で西回りの岩屋行きに乗り換える。バス停はUFOのような円形の建物で、明石海峡大橋ができる前の古い路線地図を張ってある。便所はウジ虫がわいている。
  群家(一宮町)までは20分ほど。バスが西岸が近づくにつれ、新しいプレハブ建築が目立ち、地震の被害が大きかったことがわかる。
 役場へ地図と町政要覧をもらいに行く。
 女の子2人が出てきた。
「どんな地図ですか」 。一番大きいのを指したら
「300円です」。ただでくれるところもあるのにけちくさい。町政要覧をたのんだら、
「どんなお仕事に使われるんですか?」
「観光です。物産品とか人口とかのデータを知りたくて」(僕)
「部数が足りないんで差し上げる方を制限しているんです。上のものに聞かないとわからないので」
住所だけ書いておいた。はたして送ってくれるかどうか。
 サルはブツブツ言い始めた。
「職業まで尋ねられると思わなかった。『オウムの信者ですが住民票登録するのに資料に使おうと思って』なんていったら助役とか、警察とかも来るんちゃう」
「やってみようか」(僕)
「やめて! この格好じゃ本物と思われるわ」

 瀬戸内海を見渡す丘の上jにある「パルシェ香りの湯」(入浴料600円)まではタクシーで1000円ほどだ。
 露天風呂は、ハイビスカスやミントなど天然のハーブをガーゼの袋に詰めて浮かべている。においがよくて、温泉のぬめりがある湯で肌がつるつるになる。
 レストランのある隣の建物に行ってみる。
 「香りの体験コーナー」があり、人工的なアロマオイルの香りが漂ってくる。
「オエッ、オエッ、オエッ」
サルが騒ぎ始めた。
「化学のにおいで食欲減退や。せっかくハーブ園があるんだから、自分のところでポプリとか作ったらええのに。民宿のトイレのサワデーと同じ臭いやで」
 雰囲気はまあまあだけど、せっかくの地場の野菜や魚を生かさず、化学薬品や都会にもある食材を使った西洋料理を目玉にする。こういう中途半端な町おこしは、電通などの業者に委託している例が多い。逆に「田舎饅頭」とか「山菜」をドドンと並べる土産店は、下卑た首長の思いつきであることが多い。観光施設は、その自治体のレベルを知る1つの指標になる。

 

 

静かな洲本の静かな神社の七夕の飾り

 

 



アルファビアのページ
http://www.atc.ne.jp/alfabia/
 
まるごと淡路(リンク豊富)
http://www.pearl-bridge.com/kpi/
 
洲本市のページ(公式情報)
http://www.awaji-is.or.jp/sumoto-city/
 
 
 
 
 

 岩屋には公共の温泉あり。泉質よし。
 岩屋港から船で明石に行ける。
大橋の下をくぐり、デートコースにぴったり。
港に降りてすぐの餃子屋「らくてん」は
家庭の味と餃子専門店のよさがって、おいしい。
すぐ近くの「反甫寿司」は
アナゴと生サバがよかった。