青いバナナが吊り下がっている。「やった、島バナナだ!」とレイザルが喜ぶが、まだ青い。柄の部分まで黄色くなり、実がやわらかくならないと渋いという。
「外の店なら熟したのがあるよ」と70歳代のオジー(写真上)。
「60歳代だと思った」というと、「ウコンをおろしがねですって少しずつのんだら、血圧は正常になったし、肝臓も腎臓も調子よくなった」
ちょっと食べさせてもらった。黄色くて苦い。粉末ウコンにも春ウコンと秋ウコンがあり、春の方が苦いが、効き目はある。値段も高い。が、レイザルはすっかり気に入ってしまい、買った。
白髪のオバー(写真中)からは、竹富の島こしょうやら島唐辛子やらを買った。
市場の入口の果物屋にバナナを買いにいったら、グアバやドラゴンフルーツなどを味見させてくれた。それらもまた買ってしまう。さらにとなりの果物屋では、ひとまわりサイズの小さい天然物?のグアバを食べさせてもらう。桃のような甘みがあり味が濃い。当然また買う。
商店街で地ビールをのんだ。その間レイザルは果物屋のオバーにパパイヤをたっぷりご馳走になっていた。
本島に向かうため空港へ。ベンチに座った途端、「あれこの人!」と目の前の椅子に座っている男性をレイザルが指差す。よれよれのジンベーサンのような服を着ているヘンなおじさん。竹富島の資料館の人だ。
「この前はじっくり見てくれてありがとう。今度ねぇ、娘が島に帰ってくるんだよぉ。うれしいさあ。結婚する相手は館を継いでくれる人、というのを条件にしたいけど、きらわれちゃいやだから言えないさあ。最初からあんまり期待したらいけないけどねえ。あ、ちゅらさんが始まる。ごめんなさい」
。身をくねくねさせて娘の帰郷を喜んだあと、待合室のテレビに映る昼の連続テレビドラマに没入した。
島に帰ってくる男はいるが、女が帰ってくるのは20年来なかったという。
「ちゅらさん」を見るために、わざわざ早めに空港に来たというコダワリもかわいい。
「また竹富に来てねぇ」と見送ってくれた。