日本兵の白骨死体!?
武田尾温泉まではこの廃線をたどって10キロほど。
高低差もないし、最近ちょっと自信をつけた私にしてみりゃ、よゆーのよっちゃんだ。
武庫川の渓流沿いを歩く。断層がむき出しになっていて、いつも見ている川とは思えない。
「ダムになっちゃうのかなー。」
「舞鶴からの復員兵もこの道を通って帰ってきたんやろなぁ」
(「相変わらず脈絡のないことを…ふぅ」=ゴロー)
しばらくしてトンネルが現れる。
はっきり言って真っ暗。懐中電灯も忘れてる。
「復員兵」の話なんかしたもんだから、 ふるーーーいレンガ造りのトンネルで、いろんな想像がわき出てくる。
「日本兵の白骨体なんか出てこないやろか…。こうもりが襲ってくるんちゃうか…切断死体なんかないやろなあ」
ヒンヤリとしたトンネルの中、ポツンと水滴が落ちてきて「ギャー」と叫んでゴローにしがみつく。
ほんまに怖くて声が出ない。 ゴローが私みたいに恐がりでなくてよかった。
(「いつもあんたを怖がっとるわ…」=ゴロー)
結局大小5つのトンネルを抜けることに。
夏草が茂り、セミが鳴き、空はもう高い。
私たちの最後の夏休みだった。2時半過ぎJR武田尾駅に到着。
1キロ先の武田尾温泉の旅館「元湯」で入浴。(入浴料1000円) さらっとした湯で気持ちよい。紅葉の季節はハイカーたちでとても にぎわうそうだ。
完