「ずいぶん中華料理の多い店やな」というのがレイザルの第1印象。
観光マップを手に入れてまずは城の散策へ。入場料は500円。かび臭い異物をえらそうに並べている資料館(500円)には入らなかった。地域の生活や文化がわかる郷土資料館は好きなんだけど、何百年も前の殿様の遺物やらなんやらもったいぶって飾る城の美術館というのはどうも興味がわかない。
昔ながらの井伊家の城の天守閣は重要文化財だが、建物が特に刺激的とかすぐれているとは思えない。琵琶湖の光景を眺められるのだけが魅力だろう。飲食店の看板やらコカコーラのベンチやらが風景をぶちこわしているから写真を撮るのも苦労する。
紅葉はさすがにきれいだが、それよりも、地面に落ちてペルシャ絨毯のように散らばる黄色いイチョウの葉に惹かれる。
天守閣は月並みだけど、ふもとの梅林を歩くのは心地よい。2月には紅白の梅が咲きそろうそうだが、今は単なる日溜まり。のんびりと散歩できる。
以上で90分コース。
城を出て、あとはレイザルが大好きな商店街めぐり。 「夢京橋キャッスルロード」と名付けられた350メートルの商店街は、白壁と格子窓にデザインを統一し、かつての武家屋敷街に似せている。道路の拡幅にともなって86年ごろから町づくりをはじめ、3年前に完成したそうな。彦根城の大手門前の、まさしく城下町のメインの商店街になった。
1953年以来9期連続36年間も市長だった井伊直愛氏が「瓦屋根がなくなって城下町の風情がなくなるのが寂しいのお」と言ったのが始まりだとか。井伊というのはもちろん、彦根藩主の家柄で井伊直弼の曾孫だから、いわば「殿のひと声」で町がかわったわけだ。文字どおりの城下町だわな。
以下箇条書きで紹介。【つづく】