西伊豆の金山 1

2001年12月
純金尽くし

 土肥の町は、閑散とまではいかないが、年末年始とは思えない静けさ。港に近い一等地のホテルは廃業している。
 昨日とはうって変わって穏やかになったので、民宿のおばさんおすすめの「象牙博物館」まで歩く。桜餅の葉っぱの加工で財をなした社長の趣味が高じた コレクション。
 確かに細かで膨大な手間がかかる作業やけどお金かけました!と言わんばかりの作品は囲まれるだけで疲れる。
 旅行雑誌に載っているプチホテルにしても、伊豆は「すごいだろ!まいったか!」みたいのが多い。成金シュミやわ。京都みたいにさりげなく掛かってる掛け軸がナントカだったり、あからさまにわかるやつは「品ないどすえ」といってもったいぶったりするのもいやらしいけど。
 ゆっくり歩いて土肥金山へ行く。生野銀山同様、彫りの深いマネキンたち。狭い、温い、こわいの3拍子で胸が苦しくなってきた。 足早に見学を済ませる。
 出口はお土産売場に直結。 象牙博物館もこの手口だった。お土産品を記せばもう説明はいるまい。
 金のお香、仏金砂(線香立ての灰)、純金饅頭、純金チョコケーキ、純金チョコレート、純金クッキー、純金チーズパイ、純金茶饅頭、黄金パイ、ゴールドクッキー、金塊柿羊羹、金箔入り金山カステラ、純金コーヒー、純金紅茶、純金抹茶、梅昆布茶−−− 。さぁ、あなたは何を選ぶ? お土産選びに疲れたら併設の喫茶「金の砂」へどうぞ。 【つづく】

右手のホテルは廃業

 

400年前の金山