内子の筏流し@

2002/4/28

 

 愛媛県の内子町といえば街並み保存で有名だけど、山里のなんでもない集落でも地域おこしが盛んだ。大江健三郎で有名になった大瀬地区のとなり、川登という集落では、93年以来毎年「筏流し」が催されている。

筏流し

 

川下り

 松山と宇和島を結ぶ幹線道路の国道56号から東に折れて、小田川沿いの静かな国道をのぼっていく。10分も走ると道幅が1車線に狭まり、段々畑や瓦葺の農家がチラホラあらわれ、谷間にウグイスの声が響く。
 小田川はコンクリートの護岸が比較的少なくて、昔ながらの風景を残している。川ツツジのピンクの花が水際を彩っている。
 56号の分岐から12,3キロ、110戸の家が川沿いに肩を寄せ合う川登地区には小学校はない。何年も前に大瀬小学校に合併され、その大瀬小学校も今では1学年1クラスという。
 小学校の跡地に建つ公民館は近い将来にお遍路宿を兼ねた自治会館に建て替える。かつての保育所の建物は筏流しの資料館に再生された。
 そろいの野球帽をかぶったおじさんが道ばたで駐車場の案内をしている。橋の上や渓流をみおろす個所にはカメラマンが鈴なりだ。ムラ総出の祭りなのだ。
 神事と筏流しの歌と踊りのあと、午前11時に筏に乗り込む。16棚の筏を列車のようにつなげたのが1連、12棚をつなげたものが1連。箕や法被をはおり菅笠をかぶり、それぞれに14,5人が乗りこんで約800メートル下流にあるメイン会場の河原まで15分ほどかけてくだる。 【つづく】

 

筏流し遠景