九重の厳冬温泉記C

2003年1月29日
大寒波のなかで

 昨夜は午後9時半には、部屋のストーブを消して寝た。廊下のストーブからのほのかな暖気が流れてくるが、ガラス窓の1枚むこうでは、ビュー、ゴーと突風が吹き荒れている。
 6時すぎ目を覚ます。廊下のところどころに雪が吹き込み、うっすらとつもっている。すき間に新聞紙がつまっているが防ぎきれないのだ。戸外は風は強く、粉雪が横面にブブブブとふきつける。
 朝風呂へ。窓は完全に凍り付いて開かない。腰までつかって15分。あったまってから朝食を取った。
 ヒゲ兄さんに聞くと「道は迷いませんよ」というから、きょう帰ることに。
 カッパのずぼんをはいて、スパッツをつけ、登山靴をはいて、アイゼンをつけて……、服装を整えるのが手間だ。午前9時半、出発する。
 「法華院温泉」の看板も雪でかすむほど。坊ガツルの平原は強風で雪がよこなぐりにふきつけ、露出しているほおが凍り付くように痛む。パーカーのフードの息がかかる部分はあっというまに凍ってバチバチになった。眼鏡もまた内側から凍る。
 斜面にとりつき、林に入ると風は多少おさまるが、ところどころ股までの吹き溜まりができている。
 コースの目印のテープを頼りにゆっくりと、標準タイム40分のコースを1時間半かけて雨ケ池へ。
 峠付近はさすがに風がきつい。1400メートル近くあるため気温も低い。後から聞いたけど、この冬1番の寒波で、フェリーは欠航、高速道路は閉鎖だったんだそうな。
 雨ケ池からは下りだが、ごろごろした岩が雪で隠れていて歩きにくい。レイザルは2度3度ところび、「いで」「いでで、ひざにあおたんつくったあ」と騒いでいる。
 平坦になったところでアイゼンをぬぐ。12時半に登山口に着いた。
 ビジターセンターも横なぐりの雪だが、山の上に比べると気温が高いため、あたたかく感じる。
 道路は凍結してるから、買ったばかりのチェーンを装着する。慣れないから2人がかりで20分ほどかかった。 【つづく】


前日はこんな感じだったが……


零下10度以下。一晩でこんな状態に

 


こんなに雪が積もってしまった