九重の厳冬温泉記D

2003年1月29日
温泉民宿の村

  湯布院方面をめざすつもりだったが、「自然観」に寄ってコーヒーを飲むことに。
 「こんな雪のなか、登ってたの?」と驚かれた。
 ヨモギケーキ(あんことクリームがぴったり)、梅しそケーキ。どちらも手作りでおいしい。
 「これから湯布院にいくつもり」といったら、「あそこは高いしね、良い評判はきいたことないよ」と、湯坪温泉を紹介してくれた。
 「泉水」という民宿がもっとも人気があり、予約とるのも大変らしいが、電話したら「きょうはみんなキャンセルが入ってしまって休業にしました」。もう1軒も同じく。もう1軒は留守。あきらめて湯布院に向かおうと思ったら、留守だった民宿「湧蓋(わいた)」から「おいでください」という電話がかかってきた。
 いちど長者原までもどり、右折し、筋湯温泉方面へ。途中でわかれて、さらに横道に入る。だんだん積雪が増え、大丈夫かなあと思ったころに湯坪の集落に着く。集落全部が民宿だらけ。20軒はあるだろう。日本最大の地熱発電所建設をきっかけに民宿が急増したという。「湧蓋(わいた)」も77年に開いた。
 庭の露店風呂に行ってみる。着替えをする東屋は床にまで雪がつもってる。服をぬいで湯に入るまでの20秒が寒いこと。雪がしんしんと降り続け、頭のタオルの上にずんずんと積もる。15分ほどあったまって、あわてて体をふき、雪の上で服をはおる。
 その後、室内の家族風呂であったまった。
 夕食は豪華だ。鴨鍋の紙鍋、馬刺し、ますのマリネ、茶わんむし、タラの山芋か鏑むし、梅のワイン煮、ワカサギの甘露煮、菊花かぶ、ごま豆腐、ふろふき大根、たくわん。「白ごはんがおいしい。鴨もおいしかったね」とレイザル。
 翌朝、たっぷり9時間寝て7時すぎに起きた。窓を開けると目の前に山並み。すっかり天気はおだやかになっている。
 朝食は、ひろうすや山芋など、いわゆる旅館の朝飯とはちがってひと工夫ある。
 9時すぎ、出発しようと車に乗り込んだら、バンパーにツララがぶら下がり、屋根やフロントグラスに10センチ近い雪が積もっている。
 バックしてUターンしようとしたら、チェーンをはめた前輪がからまわりして坂を登れない。ヨッコラセと押してようやく動き始めた。
  三俣山とそのとなりに白い噴煙をあげる硫黄岳がくっきり見える。きょう法華院に行ったらさぞ美しかろう。 【つづく】


こんな露天風呂。雪見酒にはぴったりだが、
脱衣が寒くて大変だ。


下山の翌日、みごとに晴れ渡った。
中央の噴煙を上げているのが硫黄岳。

 

民宿湧蓋(九重町湯坪1008)
0973-79-2459
【ホームページ】


自然観のケーキセット 1200円
ビール          300円
ビール          300円
民宿湧蓋(わいた)  14580円
 (ビール1本つけて)
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計         16380円