何度電話してもダメだったが、梅雨の7月上旬、突如予約が取れた。コテージの方はいっぱいだから本館の部屋をとった。ツインで1人あたり1泊2食つき15000円。
高知市の中心部から県道を20分ほど。鮎釣りがはじまったばかりの鏡川の清流から、支流沿いの山道に折れて5分ほど。段々の水田が谷間に広がる、四国の山村らしい風景のなかに、木造のホテルが姿をあらわした。
ハワイのマウイ島の「ハナマウイ」みたい、とレイザルは言う。ロビー(左の写真)の左手が客室棟、右手は温泉棟になっている。温泉だけでも800円で入れる。
山のコテージ風の客室は木の香りでいっぱい。大きなガラス窓には緑がまぶしいほどに満ち満ちている。
うれしいのは、谷間の緑を堪能できるバー(写真下)。その下にある小さなライブラリースペースも、のんびり本を読むのに最適だ。
温泉は泉質はそれなりだが、さわやかな緑に囲まれた露天風呂は30分でも40分でもつかっていたくなる。
夕食は、和洋折衷の雰囲気のあるダイニングスペースでとる。鮎や山菜、カツオやウナギなど、地元の産品を活かした創作和風料理。解禁になったばかりの鮎の唐揚げがおいしい。肉料理は土佐牛の冷シャブだった。
海辺の宿のように、魚が特においしいわけではないが、多すぎず少なすぎず、ほどよい加減でのんびりできた。
朝食も一般の「旅館の朝食」とは一線を画している。レイザルに言わせると、「今まで泊まったホテルのなかでベスト3には入るな」とのことだ。
【つづく】