愛媛遍路・春55-57

2004年3月29日
春の田園散歩

 ガイドブックには大通りを歩く道が書いてあるが、寺のわきの静かな裏通りが古くからの遍路道だという。
  JRの高架をくぐり、まっすぐに南へ向かう。国道196号バイパスをこえたら、泰山寺はもう少しだ。田んぼのある農村と新興住宅がいりまじった地域の裏通りを歩いていくと、目の前の小高い斜面に真新しい寺が見えてくる。 約3キロの道のりを50分で歩いた。
 五十六番札所の泰山寺。真新しくてありがたみはないが、20分ほど休憩をとって、15時15分に出発する。
  国道317号をわたり、20分ほど歩くと蒼社川の土手にでる。河原は黄色い菜の花に彩られている。川の水が少ないから、コンクリートの堰のような部分を歩いてわたる。橋をわたるより水が身近に感じられるのがいい。
 と、魚取りをしていたガキンチョが「ちょっとこっち来て」という。見たら、腐敗進行中のネコか犬の死体だ。茶色いハムのようになって、手足の原型はもはやとどめていない。おそらく上流から流されてきたのだろう。ハエがたかって悪臭をふりまいている。
 レイザルに見せたら後がうるさそうだから、近づかせなかった。
 右岸の土手を歩いて山手橋へ。そこから支流に沿って約1キロ、さかのぼる。寺への車道が左に折れる2,300メートル手前で、徒歩用の遍路道は用水路沿いの小道へと折れる。
  レンゲやシロツメクサが咲き、家族連れがセリや土筆をとっている。この近辺は麦畑が多い。二毛作なのか、すきこんで肥料にするためのものなのか。
 きょうの目的地の栄福寺には16時5分に到着した。山のなかの静かな寺は気分がいい。
 きょうは16、7キロ歩いたが、これではちょっと物足りない。交通費の節約もかねて、今治駅まで4,5キロを歩いた。これで20キロをこえた。
 鈍行で亀岡へ。車に乗って、松山市郊外・堀江の回転寿司「キトキト寿司」にいく。スズキやらタイやらは回転寿司のわりに新鮮でおいしい。生ビール2杯も含めて、腹いっぱいくって2人で4600円。満足満足。 【つづく】

 


遍路の無縁仏


栄福寺はもうすぐ。レンゲの季節


栄福寺