五島列島教会巡りB

2001年1月28-30日

井持浦教会 【10:30着】

 「いらっしゃい」の看板。教会ってよそ者にも開かれている雰囲気があるから不思議だ。漁村を見下ろす高台の上。茶色いレンガ造り。「大聖年巡礼地指定教会」と記されている。五島列島には巡礼の西洋人も多いのだという。【10:50発】

井持浦教会

堂崎教会近くの海
堂崎教会近くの海

 リアス式海岸の細い道をのぼりくだりする。はるか眼下に白い砂浜。陽がサアッと差し込むと、エメラルド色にかわる。いつの間にか、レイザルが沈黙している。
「きれいやで、見てみ」 「…フン…」
「気持ち悪いんか」 「…イヤ…」…5秒後…
「ダメかもしれん」 「えっ?今すぐか」
「フン……」 「ダメかも、じゃなくてもうダメやんか!」
 あわてて車を減速させるとまだ動いているうちに扉をあけ、道ばたにシャーー、シャー、シャッと3連発。ウーロン茶でうがいをして帰ってくると、
「もう大丈夫や。海の色きれいやな。変わった地形やで。あたしのゲロ塚に巡礼者が来るんちゃうか」
 あっというまにおしゃべりに戻ってしまった。

堂崎教会 【12:20着】

 入場料300円。「きょう2組目ですよ」とのこと。
 目の前が入り江。水面とほぼ同じ高さに道路が通る。池のように静かで、透き通った水の底に白い砂が見える。陽が差し込むと群青色から一気にエメラルド色にかわる。
 教会は赤れんがのゴチック様式。明治13年に建てられ、五島の布教の中心地だったという。内部は資料館になっている。白い壁にステンドグラスがちりばめられ、天井はドームのよう。
 「今まで見たのでは一番いい教会やな」(レイザル)とのこと。船の時間が迫っているためスケッチをするまもなく引き返す。【12:40発】

堂崎教会
堂崎教会内部
堂崎教会の中

 13:00、福江のレンタカー屋に車を返す。走行距離は140キロほどだった。レンタカー屋のお兄さんは、大阪・堺で1年だけつとめて帰郷した。30歳そこそこというのに「年とったらこっちがいいっすよ」と老成している。
 次の目的地、若松島への船は13:20発。1510円。展望デッキのような座席は快適だ。海の上から、「止」の字が欠けた「大波止ホテル」が見える。 「今度来たとき大波止ホテルどうなってるんやろな」とサル。実は気に入ってたんちゃうか。【つづく】