軽井沢一日貴族

2000年5月

 

 5月の連休、K夫妻が軽井沢の別荘に呼んでくれた。レイザルは「やったあ!」と大騒ぎしたあとで、「安穏族とか、皇族好きのおばちゃんとか、すかした人が来そうや。楽しいやん」などとわけのわからんことをしゃべり始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

皇室がアイドル

 旧軽通りは桜が満開だ。全身シャネルみたいな人や、三木武夫夫人のような上品なおばあちゃん、フレアスカートに花つきの帽子をかぶった女とカジュアルなジャケットにサングラスに口ひげという男という秋篠宮夫妻を意識したとしか思えないカップルもいる。
 有名なパン屋やソーセージ屋はにぎわってたけど、1000円均一のアウトレット店も増えている。あまり景気がよくないんやな。
 戦前の貴族風のドレスを着てパラソルをもって、木立を背景にセピア色の写真をとる写真店があった。「一生に一度の記念や」とばかりに、親子3人で撮ってもらっている一家がいる。貴族に憧れて喜んでるんだろうけど、実際そんな生活をしている大金持ちもいるわけで、そう考えると、滑稽というか奴隷根性というか恥ずかしいというか……。
 天皇や皇太子夫妻のテニス姿の絵はがきもあちこちに並んでいる。観光客がいて、金持ちの別荘族がいて、さらに金持ちの皇族やらなんやらがいて……。身分意識がくっきり現れるへんな街だ。
 でも、暖炉のある、きれいで広々とした別荘の一夜は楽しかった。 【つづく】

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