コザの夜 風のように飲む@

1998年4月

 

 基地の町はエキゾチック。バーがあって、アルファベットが氾濫して、ロックやラテン音楽があふれてる。食べ物も酒もおいしいし、一夜を明かすのは楽しいな。基地を見ると腹が立つけどね。那覇では「ゆうなんぎ」という居酒屋がおいしかった。ガイドブックに載っているらしいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内戦の雰囲気

 コザ(沖縄市)のデイゴホテルの受付はハーフのきれいな女の子。それだけで基地の町だなあと感じる。1泊6800円だがベッドが3つも並ぶアメリカスタイルだ。
 嘉手納基地のゲートから町を歩くと、英語の看板ばかり。女の子の写真が入り口にずらりと並ぶナイトクラブが目立つ。
 「チャーリー多幸寿(たこす)」でタコスとビールを食べる。生地が揚げてあるのを見て、なあんだアメリカ風か、とがっかりしたが、実際食べるとふんわりしていておいしい。こんなタコスはメキシコでも食べたことがない。「沖縄風」である。
 表通りにはジーンズ店やお土産屋などが並ぶ。鎧兜やらカンフーの服やら、忍者の服やら、アメリカ人が考える「東洋」がこれでもかと押し寄せる。どこの国の料理もアメリカに行くと量だけ増えて大味になるが民芸品も同じだというのがよくわかる。
 裏通りにフィリピン料理屋を見つけた。のぞいたらフィリピンの女の子ばかり数人がたむろっている。
 ぽんびきのおばさんや、東南アジア系の女の子が道に椅子を出してたむろっている。黒人と白人の2人連れがひやかしてまわっている。時折、迷彩服の兵士を乗せた軍用車が横をすり抜け、普天間から嘉手納にかけてはヘリコプターが低空を行き来する。においも風も、ある種の緊張感も、内戦中のエルサルバドルに似ている。
 ライブハウスに1人で行くのは気がひけて、「沖縄家庭料理・風」という涼やかなのれんの店に入る。
 おばさんとその娘アイちゃんの店。開店して7カ月だ。     【つづく】

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