わずか10分ほどの航海。桜島港内に入ったところで振り返った。 海から見る鹿児島もいい感じ。西郷さんが自刃した城山は、どの小山のことなのかなあ。
ビジターセンターで溶岩の勉強をして、黒い溶岩が海岸にごつごつと突き出た溶岩渚遊歩道を歩いて、それからレンタサイクルを借りた。10年前なら1周36キロを走ろうと考えるんだろうけど、体力もなくなったし、くそ暑い炎天下にそんな気力は出ない。 右の写真は避難壕。大阪にこんなのがあったら、戦争が始まるんかいな、と思ってしまうやろな。バス停の待合所に使われているものもあった。
こういう風景は切ないよね。 1914年(大正3年)の大噴火で、沖合500メートルにあった溶岩流に飲み込まれて陸地になってしまった。 真っ黒な溶岩の大地の上に鳥がふんを落とし、草が生え、灌木が茂り、松が入り込み……。定期的に噴火している桜島では、そういう自然の変遷の過程がよくわかる。 100年もしたら、照葉樹の真っ暗な森ができあがるのかな。迷い込んだら2度と出られないという自殺の名所、富士山の樹海(照葉樹ではないが)のようになっていくんやろな。 下は、溶岩流を流すために改修された水路(川?)。本当に必要かつ有効ならばいいのだけど……。 【つづく】